2015年御翼7月号その3

父親が子どもに残すべき遺産 ―― スティーブン・J・ローソン

   

(『レガシー―遺産―父から子どもたちへの10の贈り物』より抜粋)
@ 神から与えられる知恵 ヤコブ3・13「あなたがたのうちで、知恵があり物わかりのよい人は、だれであるか。その人は、知恵にかなう柔和な行いをしていることを、よい生活によって示すがよい。」神の知恵とは、人生を神の視点から眺め、状況を正しく判断し、御心にかなった目的を果たすために最善の解決策を選び取ることのできる、神からいただく能力のことである。
A 純真な人格  エフェソ5・18〜19「(18)酒に酔いしれてはなりません。それは身を持ち崩すもとです。むしろ、霊に満たされ、(19) 詩編と賛歌と霊的な歌によって語り合い、主に向かって心からほめ歌いなさい」聖霊で満たされ、良い実を結ぶ人生を送る人格を持つことである。
B 神と人への愛と責任 エフェソ5・25 「夫たちよ、キリストが教会を愛し、教会のために御自分をお与えになったように、妻を愛しなさい」愛は責任を伴う。
C 謙遜 箴言22・4 「謙遜と主を恐れることとの報いは、富と誉と命とである」
D 神に訓練されること 申命記8・5 「あなたは、人が自分の子を訓練するように、あなたの神、主があなたを訓練されることを心に留めなさい」
E 信仰からくる力 エフェソ6・10「主に依り頼み、その偉大な力によって強くなりなさい」
F 柔和 ガラテヤ5・22〜23「(22)これに対して、霊の結ぶ実は愛であり、喜び、平和、寛容、親切、善意、誠実、(23) 柔和、節制です。これらを禁じる掟はありません」

 父親が永遠に続く遺産を残すためには、イエス・キリストと個人的な関わりを持ち、聖霊に満たされていなければならない。誰であれ、回心するなら、聖霊がその人の内に住み、御心にかなった人となるように力を与えてくださる。私たちはだれも、自分の力で、良い父親になることはできない。
 1966年、父が米国の神学校に行っていた頃のことである。ホテルで父がアルバイトをしているとき、掃除機を壊した白人の従業員が、あまり英語の話せない私の父のせいにしようと、上司に、「あいつがやった」と嘘を言った。それが分かった父は、日本語で「ボヤボヤするな〜!」と相手に怒鳴ると、彼はあわてて、自分の否を認めた。かつては帝国海軍の将校候補生だった父が、戦勝国アメリカに行って、家族を養い、神学校に通うため、ホテルのボーイやガーデナーをした。それから40年後の今日、集合住宅のオーナーとなり、米国の神学校を日本にもってきたりしている。
 父は、神の国と神の義とを第一に求めれば、生活は守られる、という信仰により歩んできた。それは、シューラー博士の「可能発想」としてまとめることのできる生き方である。可能発想とは、以下の三つの条件を満たすものであれば、必ず実現の道があると確信して行動することである。
1 それは神の御前で十分に偉大なことであるか(神に喜ばれることか)。
2 それは傷ついている人々を助けるか(人の必要を満たすか)。
3 それはまだ誰もやっていないことであるか(自分にしかできないことか)。
これらは、人生の目的を見出す基準となり、この世的な問題を解決し、最善を生み出すことになる。

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